1.コインパーキングのクレームは多いのか?
コインパーキングの運営では利用者からのクレ―ムやイレギュラーは日常的に発生します。釣銭切れや領収書用紙不足のクレームが多いのでは?と思われがちですが、各駐車場に合わせたサイクルで集金・巡回を行えばこの類のクレームは確実に減ります。
利用者からの問い合わせは大きく
【精算時のクレーム】
【出庫時のクレーム】
【利用方法の問い合わせ】
【イレギュラー】
に分けられます。
【精算時のクレーム】
①無理に連続投入したために硬貨詰まりが発生
②領収書カットの前に引っ張ったための用紙詰まり
③ゲート駐車場にて駐車券紛失の問い合わせ
④精算(車室番号)間違いによる返金の可否
【出庫時のクレーム】
⑤遠隔操作での出庫依頼
⑥フラップ板引っ掛かりによる警備出動
【利用方法の問い合わせ】
⑦月極契約の有無(貸切を含む)
【イレギュラー】
⑧場内事故(対車両・対物)
⑨長期駐車発生による連絡
⑩警察案件
各物件の警備会社からの報告書を調べたところ、問合わせの8~9割が精算時・出庫時・利用方法に関するもの(上記の①~⑦)でした。これらの問い合わせであれば概ね電話対応で完了しますので、契約警備会社が遠隔システムや電話で対応し、後ほど管理会社に報告書が上がってきます。
時には、利用者が「返金不可」を納得しないため管理会社から連絡を要することや、駐車場の営業形態(月極、貸切など)の問い合わせに対応しなくてはならないケースもありますが、①~⑦全体の1割もありません。
2.とても多い!精算時クレームへの対応
コインパーキングの管理運営上、①~④は想定内のクレーム・問い合わせです。それぞれの基本的な対応を見ていきましょう。
①無理に連続投入したために硬貨詰まりが発生
精算時に無理に押し込んだために硬貨詰まりが発生、機械が異常を検知し、本来の釣銭額が戻らない場合があります。頻繁ではありませんが、利用者から看板記載の緊急連絡先(コールセンター)に電話が入ります。利用者が申し出た入出庫時間を遠隔システムで確認後、一致すれば氏名・住所を聞き取り小為替証書発送などで返金します。
②領収書カットの前に引っ張ったための用紙詰まり
上記①と流れ、対応は同じですが、これに加えて領収書記載の宛名について聞き取ります。
③ゲート駐車場にて駐車券紛失の問い合わせ
駐車券紛失は利用者の過失によるものであり、不特定多数の方が利用するゲート駐車場では各人の入庫時間などの特定が困難でもあります。よって紛失ボタンを押して一旦5,000~10,000円をお支払いいただき、のちに駐車券が出てきた場合は利用料金を算出し差額分を返金することになっています。
④精算(車室番号)間違いによる返金の可否
弊社はじめ多くのコインパーキング運営会社は車室番号間違いによる返金は不可としています。コインパーキングは無人運営なので、番号確認は利用者責任であり過失になります。
3.出庫できない!への遠隔・出動対応
利用者が出庫したいができないというケースです。
⑤遠隔操作での出庫依頼
店舗専用駐車場で発生することが多いです。店舗利用者は駐車場の割引が適用されて精算機の操作のみで無料出庫という流れが一般的ですが、利用者のサービス券紛失やサービス付与なしで出庫操作するなどで無料出庫できなくなった場合に、店舗側からの依頼によりロック解除をします。
⑥フラップ板引っ掛かりによる警備出動
車種や利用状況によっては車体底面とフラップ板が引っかかってしまうことがあります。精算前に同乗者が乗車して車体が沈んだ場合はいったん同乗者に降りてもらうことで解消しますが、車高が低いために引っかかりが取れないケースでは警備担当者が現場に赴き車体をジャッキアップするなどの対応を取ります。
4.利用方法の問い合わせ
またクレームではありませんが、同敷地内で時間貸・月極併設の駐車場もあり「⑦月極募集の有無(貸切含む)」の問い合わせもしばしば来ます。警備会社で即答できない場合は管理会社に連絡が入り、折り返し電話で対応します。
5.イレギュラー!事故・長期駐車への対応
⑧~⑩は通常運営とは異なるイレギュラー対応となります。
⑧場内事故(対車両・対物)
利用者同士の接触事故、バリカーやフェンスなどへの接触、当て逃げなどが年間数件ほど発生しています。バリカーや看板への接触の場合、修理が必要であれば該当利用者に工事費を請求し、保険会社とのやり取りをするなど修復完了までの対応を行います。
➈長期駐車発生による連絡
48時間以上駐車をした利用者から連絡が入ることがあります。弊社を含め大手コインパーキング会社は48時間以上の駐車お断りの文言を掲げていますが、これは法的根拠によるものではなく会社ごとの慣習ルールです。無人のコインパーキングに丸2日間以上続けて駐車すると、車上荒らしや盗難など犯罪につながるリスクが大きくなることを警戒し、物件の巡回業務を行うことで放置車両や長期駐車の抑制に努めています。
⑩警察案件
めったにあることではありませんが、過去に防犯カメラの開示請求、入出庫データの出力依頼、盗難車両の回収立ち合い要請がありました。また駐車場利用者が何らかの理由で逮捕され、証拠物件として車の引き上げの立ち合いをしたこともあり、このような場合は各物件の管轄警察署から協力依頼の連絡が入ります。
6.まとめ
説明で納得される方、根本的な対応策を求められる方がほとんどですが、感情的になられる方もいますので1件ずつ相手と内容に合わせた丁寧な対応が求められます。今後も管理会社と警備会社が協力連携をして、クレーム・問い合わせにきめ細やかに対応していきます。