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コインパーキング経営 運営編

コインパーキング 売上を伸ばす料金設定のコツ

更新日:

2019年3月19日

コインパーキングの売上を伸ばす料金設定ポイント5つ

1.駐車料金をいくらにするのか?

コインパーキングのオープン時に最も重要になるのが駐車料金の設定です。

駐車料金は安くしすぎると売上は低くなりますし、高ければ近隣の駐車場に利用者を取られてしまいます。コインパーキングに適した立地であっても、料金設定が妥当でないと売上を伸ばすことはできないのです。そこで今回は、コインパーキングの売上を左右する重要ファクターである駐車料金設定のポイントについて説明します。

 

2.エリアの競合相手を調べた上で料金設定する

あるエリアで駐車場を探しているドライバーは、なるべく安い料金のところに停めようとするでしょう。短時間利用したい場合は短時間の料金設定が安いところを探し、利用時間が定まらず長引く可能性がある場合は最大料金が低い駐車場を選ぶでしょう。

まずはエリア周辺の競合相手と同程度または安い料金設定にするのが基本です。しかし、駅や観光地など目的地までの距離が他よりも近いなど、立地が勝っている場合は周辺よりも高めの料金に設定することもできます。よって料金設定のためには競合相手の調査が必須となります。下記写真のようにコインパーキングが乱立しているエリアでは特に入念な調査が必要になります。

コインパーキングの売上競合相手を意識した料金設定

※赤丸がコインパーキングです

 

3.駐車場利用状況によって料金設定は変わる

適正料金を設定するためには、対象エリアにおける駐車場の利用状況を分析する必要があります。曜日・時間帯別などの利用者数の推移を分析して、「土日祝日は平日に比べて利用者が数倍多い。」「午前と夕方に利用者が集中している。」など駐車場の利用傾向をつかんだ上で、この傾向に合った料金体系を設定すれば売上を上げることが期待できます。

 

以下に2つの実例を示します。

実例1:近隣に有名な寺社仏閣があり、参拝客の利用が見込めるコインパーキング

コインパーキングの売上で近隣に有名な寺社仏閣があり参拝客が見込める料金設定

この駐車場では、月~金の平日と土日祝日で料金プランを分け、利用者が多い土日祝日の料金を高く設定しています。また、参拝客のほとんどが2~3時間の利用であることから、8時~22時は時間経過とともに通常料金が加算されて、最大料金設定しないことで、利用回転率を高める工夫をしています。

 

もし、土日祝の8時~22時に最大料金3000円を設定したとすれば、1台の車が8時~22時までの14時間利用した場合その車室の昼間の売上は3000円です。しかし最大料金を設定しないで3台の車が同車室を2時間ずつ利用したとすると、1時間1000円×2時間×3台=6000円の売上となります。

 

実例2:短時間利用者が多いオフィス街のコインパーキング

コインパーキングの売上で短時間利用者が多いオフィス街の料金設定

この駐車場では最大料金を近隣の競合相手よりも安く設定して、通常料金は60分300円としました。最大料金を安く設定することで利用者を呼び込み、通常料金の課金額を大きくすることで、ビジネスユーザーなど短時間利用者からの売上アップを狙っています。

例えば20分100円と60分300円では、どちらも1時間300円ですが、20分駐車した場合、前者の売上100円に対して後者は売上300円と200円の差が生じ、この差が積み重なることで売上増が見込めるのです。ただし、立地によっては短時間よりも長時間利用者が多いこともありますので、当該エリアにおける1台あたりの平均利用時間を分析してから料金設定する必要があります。

 

4.特定車室の料金を割引する

駐車場内のレイアウトによっては、「交通量の多い道路に面している。」「場内最奥の壁ぎわにある。」など駐車しにくい車室ができてしまうことがあります。このような車室は敬遠されやすく他の車室に比べて稼働率が下がりがちです。よって、コインパーキングをオープンしてから明らかに稼働率が低い車室が出てきた場合は、その車室の料金のみを安く設定して稼働率アップを図る方法があります。

コインパーキングの売上で特定車室を割引する料金設定

コインパーキングの特定車室レイアウト

上図の駐車場では5番と6番車室は場内最奥にあるとともに場内通路の幅も広くないため、手前の1~4番・7~10番車室が埋まっていると入庫しづらくなります。また、11・12番車室も道路に面しているため駐車しにくいので、これら車室の利用を促すために他の車室よりも最大料金を300円安く設定しています。

なお、ここでは最大料金を安く設定していますが、30分200円の通常料金を該当車室のみ60分200円に設定するという方法もあります。短時間利用者が多い駐車場であれば、最大料金よりも通常料金を安くしたほうが利用率UPにつながります。

 

5.駐車場の利用傾向をつかもう

オープン前は駐車場の稼働データがありませんので、エリアの調査で得られる情報により利用状況を推定するしかありません。一方オープン後は、曜日別・時間帯別の稼働率や車室ごとの売上などのデータがあれば、適正料金の見直しをする際に威力を発揮します。よって、これらのデータを適宜閲覧できるように、コインパーキング遠隔管理システムを導入しておくことをおすすめします。

コインパーキングの売上月別利用傾向を意識した料金設定

コインパーキングの売上で車室別を意識した料金設定

 

成功ポイント

・エリアの競合パーキングの稼働状況や料金設定を調査する。

・エリアにおける駐車場利用実態に合わせた料金体系を設定する。

・明らかに稼働率が低い車室には料金割引を検討する。

・稼働状況や売上分析のためにコインパーキング遠隔管理システムを導入する。

実際の売上データ分析はこちら

 

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