コインパーキングの概要
コインパーキングとは、無人で営業している有料駐車場のことです。最も一般的な形態は、利用者が駐車すると車室内に設置されたフラップ板が上がり、車がロックされる仕組みです。その後、利用者は精算機で料金を支払うと、ロックが解除されて出庫できるようになります。近年では、フラップ板を使わないカメラ認識型の駐車場も増えています。これにより、よりスムーズに駐車と出庫が可能になり、ユーザーの利便性が向上しています。
自営経営のメリット
自営経営とは、自身でコインパーキング施設を所有し運営することです。最大のメリットは、収益がすべて自分のものになることです。初期投資は多額になりますが、その分、長期的な収益の上がる可能性が高くなります。また、価格設定や運営方針を自由に決められることも大きな利点といえます。さらに、地域の需要に応じた柔軟な対応が可能となり、駐車料金の変更やサービスの追加なども迅速に行えます。
自営経営のデメリット
一方で、デメリットとしては、初期投資に多額の資金が必要になることがあげられます。さらに、立地が悪い場合の稼働率低下リスクや、老朽化による投資リスクなど、資産管理面でのリスクも無視できません。また、運営面での手間がかかることも考慮する必要があります。例えば、設備のメンテナンスやトラブル対応、売上の管理など、日常的に運営に関わる業務が多くなります。また、「コインパーキングで起きるトラブル」でもご説明した通り、面倒なトラブル対応も大きなデメリットになります。
賃貸しのメリット
賃貸しとは、自身の土地や施設をコインパーキング運営業者に貸し出すことです。最大のメリットは、運営面の手間がまったくかからないことです。コインパーキング業者が運営を行い、地主は定額の賃料収入を得られるため、ローリスク・ローリターンの形態といえます。さらに、土地の長期的な利用計画が立てやすくなる点も見逃せません。例えば、土地の一時的な活用としてコインパーキングを設置し、将来的に他の用途に転用することが可能です。また、プロによる運営は、売上をアップさせるためのノウハウが詰まっているので、個人で経営するよりも売り上げをあげることが可能です。
賃貸しのデメリット
デメリットとしては、長期的な収益性が自営に劣ることがあげられます。しかし一方で、運営面での手間やリスクがほとんどないため、総合的に見ると賃貸しの方がデメリットが少ないといえるかもしれません。また、コインパーキング業者も、借り賃を多く払ってくれる可能性がありますが、契約内容によっては賃料の見直しが困難になる場合もあります。
どちらを選ぶべきか?
どちらを選ぶべきかは、資金力、リスク許容度、事業規模の想定などによって異なります。運営に関するすべての手間を自分でやるか、業者にやってもらうかという視点が最も大きい部分でしょう。自営は手間がかかるため、この手間がかかる部分を人件費として業者に支払っていると考えると、トータルで見た場合どちらも大きな差はありません。
例えば、十分な資金力があり、長期的な大規模事業展開を想定する場合は自営が有利でしょう。一方で小規模で手堅い安定収入を望む場合は、賃貸しの方が適しているかもしれません。特に遊休地の活用という目的であれば、賃貸しの方がリスクを抑えやすいといえます。
さらに、コインパーキング用地を10か所ほどお持ちであれば、人件費の割合が抑えられるため、事業として自営を選択する方が良い場合もあります。このような場合、自営経営のメリットを最大限に活かし、より高い収益を目指すことが可能です。