2018年11月26日
コインパーキングの未来はどうなる?
先日、「空飛ぶ車が2020年代に実現!」と言うニュースが目にとまり、大変驚きました。最近、「自動運転車」の話題もよく取り上げられており、これらの車が普及すれば交通インフラも刷新され、これから数十年の間に、車社会をとりまく環境が大きく変貌を遂げていくことは確実だと言えるでしょう。このような流れのなかで、人々の車の利用方法やコインパーキングはどのように変わっていくのでしょうか? いろいろと想像してみました。
1.車が進化する
「自動運転車」にドライバーはいません。目的地を告げれば、最適なルートを調べて乗客を目的地まで完全ナビゲートしてくれます。降車すると、駐車スペースを探して駐車し、帰りにはスマートフォンで呼べば乗客の元に戻ってきます。車が他の車や建物と衝突しないように検知機能を持ち、自動的にブレーキを作動することができるなど、安全性の高い仕組みになっており、自動運転が普及すれば、交通事故が確実に減少するといわれています。
今や、世界の名だたる企業が自動運転技術の開発に力を注いでおり、自動運転車の実現は現実的なものとなってきました。冒頭の空飛ぶ車が10年後に実現可能だとすると、20~30年後には空を飛ぶ車が主流になっていくかもしれません。
2.2050年、車は増える?減る?
2050年の日本人の人口は9,515万人(総務省発表)と推定されており、これは現在よりも25%低い約3,000万人減です。それでは、車の台数も3/4になるのか?というと、そう単純にはいかないでしょう。なぜならば、「2040年代には道路交通の主役は自動運転車になり、運転免許が不要になる。」と予測されており、その10年後の2050年代にもなると、子供が1人で自動運転車に乗り込み、自由に移動できる時代になると想像できるからです。こうなりますと、マイカーで移動するのではなく、車はタクシーのように「必要な時に呼んで乗るもの」になるでしょう。月額利用料1万円で乗り放題のサービスが生まれるかもしれません。
さて、このように車を運転する必要がなく、子供1人でも乗れる、必要な時に呼んで乗ることができ、かつ格安となると、車の利用度は加速的に増えていくと予想されます。便利極まりない交通手段ですので、1日のうちの瞬間移動人数の最大値と同じくらいの車台数が必要になるかもしれません。データを探してみたのですが、残念ながら瞬間移動人数の最大値データを見つけることはできませんでした。平成30年5月末における自動車登録台数は8172万台です。2050年の車台数は現在よりも増えるのでしょうか?減るのでしょうか?自動車メーカー、タクシー業者など車関係業界の方々は、先々の諸条件を考慮しながら車の利用台数、必要台数を推定し、製造、サービス戦略を練っていく必要があります。
さて、2050年代、車のほとんど全てが「自動運転車」に変わるとすると、車をとりまく業界もこの変化に対応していけないところは淘汰されていきます。タクシー会社にタクシードライバーは必要なくなります。自動運転車を駆使して、より消費者ニーズをとらえたサービスを展開していく必要が出てきます。
3.車の関連業界はどうなる?
また、街を走る自動運転車は環境に優しい電気自動車が主流になり、これに伴いガソリンスタンドは電池交換スタンドになるでしょう。2020年には、日本と中国のEV充電規格が統一され、2国で世界シェア9割を超えるという報道がありましたので、恐らくこの規格が世界標準になっていくことでしょう。充電規格が統一されれば、どこでも充電できるようになりますが、充電時間がかかると不便です。既充電バッテリーと交換できれば便利ですし、一瞬で充電可能なバッテリーが開発されるかもしれません。車に発電システムを搭載し、充電しながら走れる車も夢ではないでしょう。このようなさまざまな技術革新に合わせて、ガソリンスタンドは運営形態が変化していくことになります。
話はそれますが、車が「呼んで乗るもの」になれば、電車は利用価値がなくなってきます。電車は長距離移動が主利用となり、生き残れるのは新幹線、リニアくらいになるでしょう。こうなると、鉄道会社も他業種への展開含めて、生き残り戦略を検討していかざるをえなくなります。
さらに、電車利用者がごく僅かになると、駅周辺には集客性がなくなりますので、
商店街もスーパーも撤退していくことになるでしょう。駅前の土地は値下がりし、30年後には幹線道路から近く、車付けが良い場所の市場価値が高くなるとの予想もできます。今、将来の事業のために土地を購入しようと検討している方は、幹線道路沿いで、排ガス・騒音など環境が悪いことで安価になっている土地に目をつけてみると、将来大化けする可能性も否めません。
4.コインパーキングはどうなる!?
さて、車が進化し、それに伴い車利用が革命的に変化する2050年、コインパーキングはどうなっているでしょうか?「コイン」パーキングとしての需要はもはやなくなり、コインパーキングは、「車への乗降パーキング」として生まれ変わると考えられます。
車が「呼んで乗るもの」になったとしても、乗降スペースは必要ですし、膨大な車の待機場所も必要です。乗降場所が道路上ですと、場所によっては渋滞を起こす要因になります。今よりもはるかに多くの人が、タクシーのように自由に乗降する必要がありますので、人と車の流れをスムーズにするためには、「特別なスペース」が必要になります。現在のコインパーキングは、車の待機場所、乗降場所としてスペースを提供し、料金を支払ってもらうようなビジネス形態に生まれ変わる可能性があります。また、冒頭の「空飛ぶ自動車」用の離着陸スペースとしての利用価値もあります。「空飛ぶ自動車」は国が運航を一元管理し、「離着陸スペース」は厳しい基準を満たす登録制になるでしょう。
成功ポイント