知識ゼロからのコインパーキング経営  ~プロが教える成功ポイント~

コインパーキングの土地の選定からオープン後の運営までを現役のコインパーキング運営会社社員が書き綴るブログです。

コインパーキング経営 準備編

コインパーキングの土地に向いてるのは?

更新日:

2018年12月17日

 

「遊休地を活用してコインパーキングを経営したいが、その土地が駐車場に適しているかどうかわからない。」

このような悩みごとを抱えている方へ向けて、お持ちの土地がコインパーキングに向いているのか?を判断するポイントを解説します。

 

遊休地を活用してコインパーキングをオープンしたものの、期待したほど利用者が集まらず、毎日ガラガラで開店休業状態!ということにならないように、様々な方面からじっくりと検討してから始めたいものです。
お持ちの土地がコインパーキングに適しているか?を判断するポイントは4つあります。


 

コインパーキングの土地に向いている4つの判断ポイント

 

1.土地は、来訪者が多い地域にありますか?

あらゆる店舗商売において、「来訪者が多い地域」であることは重要なポイントになります。多くの人の目に触れ、店を知ってもらえれば利用者の増加につながります。これと同じように、オフィス街、繁華街や駅近くなの土地はコインパーキングにも向いています。訪問者は何かしらの交通手段で移動してきますが、便利な車での訪問者は一定数いるからです。

さて「来訪者が多い地域」という定義ですが、週末のみ来訪者が増加する地域もあれば、夏休み・GWなどの長期休暇期間のみ来訪者が集中する地域もあるでしょう。また、オフィス街であれば平日に来訪者が増えますし、主要駅近くでしたら曜日問わず一定の人が行き交います。お持ちの土地がどのような地域にあるかをよく調べておきましょう。

また現在は来訪者が少なく閑散としている地域でも、再開発予定があり、将来大勢の人が集まることが予想される地域の土地もコインパーキングとしての需要がありますので、将来の街づくり計画にも目を配っておきたいものです。

 

コインパーキングの土地に向いているパワースポット前
パワースポットとして有名な来宮神社のすぐ目の前にあるショウワパーク来宮神社前

 

2.その土地のそばに、目的となるスポットはありますか?

さて、「来訪者が多い地域」であることは店舗商売をする上での共通条件であり、これだけでコインパーキング経営に向いている土地とは言えません。

コインパーキングというビジネスが飲食店、小売店といった店舗と大きく異なるのは、コインパーキングが訪問者の目的地ではなく、あくまでも「駐車スペースを一時的に貸す」場所であるということです。よって、コインパーキング経営上で重要なことは、「駐車後の目的地となるスポット」が近隣にあることです。

例えば、「テレビやSNSで話題の飲食店」「定評がある歯科医院や動物病院などのクリニック」が近くにあれば、コインパーキングをお客様や来院者用の駐車場として使ってもらうことが期待できます。一見して、集客性がなさそうに見える地域でも、近隣に人気店舗や高評価の施設があるとコインパーキングの需要が高まります。

コインパーキング経営では、駐車しやすさや駐車料金も重要な要素ですが、その前に『駐車後に訪問したい』と思える施設が近隣にあることが大前提となります。

 

3.その土地のそばに、競合相手となるコインパーキング、施設はありますか?

次に重要なポイントが、予定地の周辺に競合するコインパーキングがあるかどうか?ということです。例えば、近隣にいくつかのコインパーキングがあり、どこも稼働率が良くない場合、その地域のコインパーキングの需要に対して既に供給過多となっていると考えられますので、新たに参入しても収益を上げるのは困難でしょう。逆に現在、周辺のコインパーキングがどこも満車状況であれば、その地域では駐車場が足りていないと考えることができますので、コインパーキング経営が成功する可能性が高いです。平休日、時間帯なども変えてみて、周辺地域のコインパーキングの稼働状況を綿密に調べておきたいものです。

また、「コインパーキング以外の駐車場と競合する」ケースもあります。例えば、車で幹線道路を走っていると、広いお客様用駐車場を備えたコンビニを見かけることがあります。このようなコンビニの駐車場は機械で管理されていないことが多いため、無断駐車して他の目的地に行くという使い方をする人が出てきます。「近くにコインパーキングがあるけれど、20~30分程度だから停めてもだいじょうぶだろう。」というケースであり、コンビニにとっては不正駐車になりますが取り締まるのも難しいようです。そして、近隣のコインパーキングにとっては、お客様がコンビニ駐車場に流れてしまうことになりますので、商売の競合相手となるのです。

都市部からやや離れた郊外地域では、幹線道路のコンビニに加えて、巨大な立体駐車場を備えたホームセンターや家電量販店といった商業施設も競合相手になってきます。ただし、夜間は閉鎖したりするためコンビニほど駐車場を無断利用しやすくなっているわけではありません。ただし、コインパーキング予定地の近隣に該当する商業施設が駐車場機器をつけている場合は、どのような料金体系で運営されているのかをリサーチしておくべきです。

コンビニやホームセンターなどは今後新規開店や閉鎖もありえますし、既存コインパーキングの料金体系の見直しも頻繁に行われます。現在の周辺状況が全て前提となるわけではありませんが、コインパーキングのオープンにあたっては、しっかりと検討しておかなくてはならないポイントです。また、コインパーキングを円滑に運営していくためには、オープン後も定期的に近隣駐車場の稼働状況調査をすることが大事になってきます。

 

4.その土地はコインパーキングとして出入りしやすい作りですか?

さて、4つめのポイントはコインパーキング予定地と前面道路の関係です。「駐車場として出入りしやすい土地であるかどうか?」が、コインパーキングの稼働に大きく影響してきます。まず駐車場内への入りやすさが重要ですが、これを判断する要素が「道路付け」です。道路付けとは「土地とその前面道路の位置関係」を示すもので、つまり予定地の道路との接し方がポイントになります。
 

①切り下げがあり、なおかつ広いこと

切り下げとは、車両が車道から敷地内へ入りやすくするために高さを下げてある部分の事です。切り下げなしでは車道から敷地内へ入るのが困難になりますので駐車場経営には必須の工事であり、切り下げの幅が広ければ駐車場内へ入りやすくなります。コインパーキング予定地に切り下げがない場合は、申請をして切り下げ工事を行うことも可能ですが、工事費用を役所に負担してもらえるケースはほとんどありません。
コインパーキングの土地に向いている切り下げ
写真内で赤く囲っている部分が切り下げです
 

②前面が幹線道路

予定地の前面が幹線道路の場合、交通量が多いので駐車場に適していると思われるかもしれません。しかし車の流れが速い道路では、駐車場に気付いた時にはもう通り過ぎてしまっているということも起こりがちです。よって、予定地の前面が幹線道路の場合は、幹線道路からよく見えるように看板などを設置し、コインパーキングの出入り口を裏道側に配置すればスムーズに車の出入りができますので、マイナス要素にはなりません。
 

③角地であること

コインパーキング予定地が角地ですと、出入り口を複数設置できますので車の出し入れがしやすくなります。車の出し入れしやすさは利用者にとって大事なポイントになりますし、2方向の道路から利用者の目にとまるという点でも有利な立地と言えます。
 

④駐車場の前に電柱など障害物がないこと

土地と車道の間に電柱などがあると、車の出し入れがしづらくなります。予定地の出入り口付近に電柱などが立てられていないかをチェックしておきましょう。なお、電柱は申請すれば移設が可能なケースもありますが、膨大な費用がかかります。また、電柱がある土地と移設先の土地が公道私道どちらであるかによって移設申請先も変わります。

 
 

成功ポイント

・来訪者が多い地域であること。

・「ここに車を停めて訪問したい」と思えるスポットが近隣にあること。

・近隣の競合状況の調査を欠かさずに実施すること。

・コインパーキングとして使いやすい作りの土地であること。

以上の4条件を満たしていれば、コインパーキング設置に適していると言え、安定した売上が期待できると言えます。しかし、地域の実態や将来計画などを綿密に調査するのには膨大な時間と手間暇がかかり、また諸条件に適合しているかを判断する部分は専門家でないとむずかしいと言わざるを得ません。

 

 

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