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コインパーキング経営 準備編

コインパーキングはチケット式(前払い式)が増えている!

更新日:

2019年3月7日

 

コインパーキングのチケット式が増えているのはなぜか

「コインパーキングの市場分析」(2018年12月27日掲載)のなかで、前払いのチケット式が増えてきているという話をしたのを覚えていらっしゃいますか?

今回は、この「チケット式コインパーキング」について詳しく説明します。

1.チケット式(前払い式)コインパーキングとは?

従来式コインパーキングでは、「〇〇分ごとに〇〇〇円」など利用時間に応じて料金を支払いますが、チケット式コインパーキングは、利用時間ではなく1回の利用に対して支払う方式を取っています。利用者は、事前に利用証明となるチケットを購入し、車のダッシュボードなど車外から見えやすい位置に置いて駐車場を利用します。利用時間に応じて何種類かのチケットを販売しているところもありますが、その時間内に何度も出入りできるわけではなく、出入りは1度に限られます。

コインパーキングのチケット式看板例

コインパーキングのチケット式看板例

 

 

2.利用料金

従来式コインパーキングにおける料金体系の事例を以下に示します。昼間の時間帯では20分ごとに100円が課金されていき、最大800円(2時間40分に相当)が上限となっていますが、22時を過ぎると60分ごとに100円の夜間料金(最大300円)が追加加算されていきます。

コインパーキングの従来式看板例

コインパーキングの従来式料金体系看板例

一方、チケット式コインパーキングは「利用時間ごとの課金」ではなく、「入庫後〇〇時間まで〇〇〇円」という料金体系を取っています。以下の事例では、「入庫後5時間まで300円」、「24時間まで600円」という2タイプの料金設定をしており、利用時間に応じて選ぶことができますが、「24時間まで600円」と販売チケットが1種類のみのところもあります。このような駐車場では、たとえ利用が1時間であっても600円かかることになります。

コインパーキングのチケット式看板例

コインパーキングのチケット式料金体系看板例

 

どうしてこのようなおおまかな料金体系になっているのでしょうか?

それは、チケット式コインパーキングが、車両検知器やゲート機器など車両の出入り時間を検知する機能を持っておらず、車両の出入り時刻を記録していないからです。

 

 

3.チケット式(前払い式)コインパーキングのメリット・デメリット

 

メリット

①初期投資コストを削減できる。

前述したように、車両を検知しなくてもよい料金体系を取っているため、初期投資コストを抑えることができます。チケット式(前払い式)コインパーキングを採用した場合は以下の費用を削減できます。

◆フラップ式コインパーキングと比較して削減できる費用

  • 路面舗装代
  • フラップ板代
  • フラップ板設置代
  • 車室枠や車室番号のライン工事代

チケット式(前払い式)コインパーキングは、砂利敷きの土地であっても、トラロープなどで車室の枠を作るだけで営業することができます。

②運営コストを削減できる。

チケット購入機、防犯カメラなど必要な機器類が少ないため、機器トラブルは少なくメンテナンスの頻度も少なくてすみます。

 

デメリット

①不正駐車されやすい。

車両を固定する機器がないため、利用者に気軽に使ってもらうことができますが、集金業務を行っている会社にヒアリングしたところ、平均して1~2割程度の不正駐車が発生しているようです。

②不正駐車対策が必要になる。

不正駐車対策のためには、防犯カメラの複数設置、駐車場の巡回頻度を多くするなどが必要になります。

③短時間利用者が減る。

短時間の駐車料金が割高になることが多いため、短時間利用者には敬遠されます。

④利用実態を把握しにくい。

従来式パーキングでは車両検知機器があれば、利用時間やピーク時の稼働率などがわかるため、データ分析して料金体系の見直しなどに役立てることができます。一方、チケット式パーキングでは、チケット購入日時はわかりますが、各車の駐車時間や、ピーク時の駐車台数などがわからないため、利用実態を把握しにくいというデメリットがあります。

 

 

4.チケット式(前払い式)コインパーキングを採用するケース

一長一短のチケット式(前払い式)コインパーキングですが、どのような時に採用されるのでしょうか? あくまで事例となりますが、当社では以下の条件がある場合、チケット式(前払い式)コインパーキングを採用することがあります。

 

①売上が見込めない。

そのコインパーキングに設定可能な最大料金が低い場合、当然、売上も低くなります。この場合、駐車場設置の初期コストが高いと機器代・工事代の回収が難しくなるため、初期コストを抑えられるチケット式を採用することがあります。

 

②営業予定が短期間である。

遊休地を半年から1年間だけコインパーキングにしたいというご要望をいただくことがあります。この場合も機器代・工事代の回収が難しいためにチケット式を採用することがあります。

 

③短時間利用客が少ない。

チケット式は短時間利用者に不向きなので、多くの短時間利用者が見込める場所にはゲート式やフラップ式を採用しています。逆に、短時間利用者が少ないと予想される場所では、チケット式を採用することがあります。

 

成功ポイント

・チケット式コインパーキングは、初期コストを抑えられるメリットはあるが、不正利用の防止策(防犯カメラ設置や巡回頻度の増加)が必要になる。

・従来式(ゲート式・フラップ式)、チケット式など運営形態を選ぶ際には、立地特性、利用時間の傾向などを考慮して選択することになる。

・チケット式は駐車場の利用実態を把握しにくいため、課題を抽出して運営に活かしていくことが難しい。

 

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