知識ゼロからのコインパーキング経営  ~プロが教える成功ポイント~

コインパーキングの土地の選定からオープン後の運営までを現役のコインパーキング運営会社社員が書き綴るブログです。

コインパーキング経営 施工編

コインパーキングに必要な設備と工事

更新日:

2019年7月12日

今回はコインパーキング開設に必要な設備と工事について概要を説明します。ご所有の土地を駐車場として使えるようにするためには整地・舗装などの工事が必要ですし、照明や精算機などの機器を設置しなくてはなりません。業者に一括して工事依頼もできますが、土地のオーナーとしては工事と設備内容をしっかり把握しておきましょう。今回は特に一般的なコインパーキングを工事する場合をご説明いたします。


1.コインパーキングに必要な舗装・外構工事

コインパーキングは土地が未舗装の場合は、舗装をしなければなりません。隣地や道路との境界に設置する壁も必要になります。

①整地

平坦な土地でない場合は掘削工事をして整地します。次に砕石(砕いた石)を敷き詰めます。弊社では砕石の標準厚100㎜ですが、地盤が緩い場合は砕石を多く入れることがあります。雨が降るとぬかるんでしまう土地では300㎜入れることもあります。

②舗装

砕石のみで駐車場として使うことはできますが、一般的にコインパーキングでは砕石の上にアスファルト舗装やコンクリート舗装をします。舗装することにより車が停めやすくなり、路面は長持ちし、排水性もよくなります。アスファルトを厚くすれば耐久性は上がりますが費用もかさみます。弊社の工事基準は50㎜厚ですが、利用頻度が平均的なコインパーキングであれば7年間は持ちます。長期運営することが決まっていれば100㎜ほど入れる場合もあります。

③ライン

車室を区切るラインを引く必要があります。ラインの太さと線の数はそれぞれ2パターンあります。太さは150㎜と100㎜が良く使われ、線はシングルとダブルの2種類があります。弊社では150㎜のダブルにして視認性を高めています。

コインパーキングに必要な設備と工事(ライン)

コインパーキングに必要な設備と工事(ライン)

④側壁・外構工事

隣地との境界に立てる壁を側壁(そくへき)、道路との境界に立てる壁は外構(がいこう)と言います。一般的な壁は、万年塀、ブロック塀、ネットフェンス、メッシュフェンスの4種類とそれらを組み合わせたものがあります。コインパーキングでは万年塀とブロック塀はほとんど使われませんが、借りた土地にはじめから建っている場合があります。排気ガスをよけるなど一定のメリットはありますが、大地震が発生した場合、強度がないブロック塀は倒壊する危険があります。既にある万年塀やブロック塀については、駐車場の開設前に強度の確認をしておきましょう。

さて、コインパーキングで最もよく使われるのはメッシュフェンスです。メッシュフェンスはネットフェンスに比べて見た目が良い上に価格も安いので、駐車場の側壁・外構に適しています。

コインパーキングに必要な設備と工事(メッシュフェンス)

コインパーキングに必要な設備と工事(メッシュフェンス)

2.コインパーキングに必要な機器の設置

コインパーキングは一般的に無人管理のため、精算機や看板などの設備機器の設置が必要です。

①看板

P看板(突出し看板)・料金看板・利用規約・利用案内看板などを用意する必要があります。どの看板もあった方が良い看板ですが、P看板は駐車場の存在を認知・誘導させる大事なアイテムですので目立つものをおススメします。

コインパーキングに必要な設備と工事(P看板)

コインパーキングに必要な設備と工事(P看板)

料金看板には大きめの文字で料金体系を分かりやすく掲示します。コインパーキングの業界団体であるJPB(日本コインパーキングビジネス協会)は料金看板のガイドラインを作成して、最大料金の書き方についても例示しています。わかりにくい説明で後々トラブルにならないように作成されたものであり、多くのコインパーキング業者がこのガイドラインに則った記述をしています。利用規約とは規約に同意した人と駐車場が交わす契約にあたります。駐車場利用者はこの利用規約に同意の上で利用してもらうことになります。

コインパーキングに必要な設備と工事(料金案内看板)

コインパーキングに必要な設備と工事(料金案内看板)

利用案内看板はコインパーキングの利用方法を説明する看板で、駐車場の利用に関する事項が記載されています。特に利用上の注意事項が多く記載しますが、これはパーキング利用者と駐車場管理者の間での利用上のトラブルを防ぐためです。

➁照明

コインパーキングがスタートした頃は、場内照明に蛍光灯が使われることが多かったです。しかし蛍光灯は比較的寿命が短くて6000~12000時間くらいしか持ちませんので、頻繁な交換が必要になり、高所設置の場合は交換費用もそれなりにかかります。そこで長持ちする水銀灯がよく使われるようになりましたが、2020年に廃止され製造できなくなりました。よって、新規コインパーキングの照明はLED一択となりました。LED照明の耐用年数は40,000~50,000時間ですので、1日6時間使用で6,666日~8,333日持つ計算になります。ワット数にもよりますが、10台車室であれば1~2灯設置します。

コインパーキングに必要な設備と工事(外灯)

コインパーキングに必要な設備と工事(外灯)

 

➂コインパーキング機器と通信回線

コインパーキング専用の精算機は国内メーカーだけで20社以上が製造販売しています。弊社が主に利用しているメーカーは株式会社サニカ(https://www.sanica.co.jp/)の製品です。メーカーによってそれぞれ特徴がありますが、また別の機会に詳しくご紹介したいと思います。

なお、最近のコインパーキング機器は、通信回線を利用して駐車場の稼働状況をリモート管理するのが主流です。遠隔地からフラップ板を上下作動、現在の売上高を確認、年月ごとの売上管理や分析までできるため、このような機器導入により運営管理がしやすくなります。近隣に他社のコインパーキングが出来て、売上が下がったなども毎日見ていれば素早い対応ができます。

3.コインパーキングに必要な運営関係の準備

①警備会社・集金

コインパーキングを運営する場合、トラブル発生に24時間体制で対応しなければなりませんが、個人での対応は困難極まります。通常は、コインパーキング警備に対応している警備会社に委託してトラブル・集金に対応してもらいます。

➁清掃

自分で清掃すれば経費も掛かりませんが、依頼するならシルバー人材センターが安くて良いです。そのほか一般的な清掃会社であれば大体受けてくれます。

4.コインパーキングに必要な工事を一括依頼する方法

さて、舗装・外構工事、機器の設置、運営関係の準備をすればコインパーキングをスタートできます。しかし、「どのような工事内容が良いのか決められない。」「機器、看板、舗装などの依頼先業者がわからない。」「さまざまなメーカー、設備の種類があって選定できない。」などさまざまな悩みを抱えるお客様が多いです。また、設備ごとに各業者に委託するとそれぞれの進捗管理をするのも大変になります。このような方のために、弊社ではコインパーキング開設に必要な工事と設備を一括して請け負っております。まず、お客様の土地に適した工事内容や機器を選定し、各業者に見積りを依頼します。工事内容や費用を決定後に機器や工事を発注し、弊社が進捗管理をしながらパーキングの開設に間に合わせますので、多くのお客様に喜ばれています。

【弊社の場合】
・舗装、ライン、看板、フェンス、照明は、グループ会社のショウワサービス(株)(https://www.p-tenji.com/)に依頼します。
・コインパーイング機器は(株)サニカ(https://www.sanica.co.jp/)に、設置工事はグループ会社のショウワサービス(株)に発注します。通信回線はコインパーキング機器メーカーが準備します。
・警備と集金はエリアごとに警備会社に委託しています。
<※一般のかたは、ショウワサービス㈱にご依頼いただければオープンまでサポート致します。>
成功ポイント

コインパーキング開設に必要な工事と設備をそれぞれ各業者に発注すると進捗管理が大変になりますので、一連の工事を取りまとめてくれる会社に一括発注するのがおススメです。開設工事についてはさらに詳細に取り上げる予定ですので、今後のコンテンツにもご注目ください。

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