2019年4月2日
コインパーキングの売上を上げるには、看板を設置する場所が重要
今回は実際にコインパーキングを開設した後の話をしたいと思います。
少資本で始められるのがコインパーキングのメリットですがそのため競合他社も容易に参入してきます。そのため影響を受けてせっかくオープンしても売り上げがなかなか確保できない、ということもあります。売り上げが確保できなければ利益も捻出できませんのでまずは売上を安定的に確保することが開設後最も重要な課題となります。
そこで売上向上に向けた取り組み事例をいくつかご案内いたします。
CASE 1「満空灯」の設置
駐車場が今現在、空車なのか満車なのかを看板で教えてくれるのが「満空灯」です。ご存知の方も多いと思います。ですがこのユーザーにとって便利な満空灯もすべてのコインパーキングに設置されているわけではないため、未設置の場合は設置すれば売り上げ向上につながります。
弊社の事例をご覧ください。
ロケーション
通行量の比較的多い一方通行のメイン道路から一本入った住宅地の中にあるコインパーキングで前面道路を利用するのは地域住民のみという立地。メイン道路はその先にターミナル駅につながり商店街もある。そのため商店街に出入りする納品業者や送り迎えに利用するにはちょうど良い距離にある。ただし周辺には競合コインパーキングが生活道路沿いに複数あり不利な立地となっている。ただしメイン道路からコインパーキング看板はよく見える。
レイアウト
月極駐車場と兼用でコインパーキングは4台。当初の悩みは月極利用者の車が駐車しているとコインパーキング部分が空車で利用できるのか近づかないとわからずチャンスロスが発生していた。また導線となるメイン道路からコインパーキングの看板が見えづらく競合他社に駐車してしまう可能性もあった。
競合他社の状況
周辺は商店街の入り口から100mほどのところに立地しているため他社コインパーキングも多数存在する状況。一番の競合はメイン道路に面している4か所で自社より駅に近い立地となっている。メイン道路に面している強みを生かして絶えず高稼働している模様。
対策
入庫誘導促進として既存のパーキング看板から満空灯に切り替え。生活道路からも見える位置に満空灯を新たに設置。LEDネオンで通りに存在をアピール。競合他社より手前にある立地を生かし空車ネオンで入庫を誘導。
結果
設置前売り上げが対前年同月比▲16.69%と苦戦していたが設置後は前年同月比で△15.36%増と予想を超える売り上げを獲得しました。もちろん満空灯を設置すればどこでも売り上げが上がるとは断言できませんが駐車場のロケーションとレイアウトなどがマッチすれば効果はあるはずです。
CASE 2「誘導看板」の設置
コインパーキングに必要な看板というとまず「料金看板」と「パーキング看板(満空灯)」、それと無人管理に必須の「利用約款看板(無いところもある)」が必要です。看板類で必要なのはこの3つになります。ところが運営上必要がなくても入庫促進には必要な看板があります。それが「誘導看板」です。「誘導看板」は設置しなくても駐車場の運営は可能ですがぜひ設置をおすすめいたします。
誘導看板で売り上げアップを達成した事例
ロケーション
幹線道路に面した10車室の比較的大きな駐車場です。コインパーキング専用で最寄り駅からは少し離れています。こちらは当初より「満空灯」を設置済で幹線道路からのアピールは十分に出来ています。ただし問題点として幹線道路のため通過するクルマのスピードが速く素通りしてしまう弱点がありました。
競合他社の状況
幹線道路のためもちろん他社も点在している状況です。料金体系はどこも飛びぬけて安いというところはなくどちらに駐車してもほぼ同じ支払い金額で利用できる状況です。
対策
料金体系とロケーションに差がないため少しでも目立たせるよう「誘導看板」を設置することにしました。ロードサイドに立ち並ぶ飲食店をイメージしてください。運転しているといろいろ目に飛び込んでくるランチ営業中の看板。迷っているうちに通過しても次から次へお店が出現する中でただ1店舗を決める要因は何でしょうか。特に食べたい料理がないのであればどこに入っても同じはずです。おそらく「大きな看板」ではないでしょうか。走行しているかなり手前から大きな看板があれば入庫の事前準備ができるので運転は減速しながら入庫態勢に入ることができますね。同じようにコインパーキングでも運転中のドライバーに誘導看板で遠方からアピールすればそのまま減速して入庫してもらえるはずです。
結果
看板を1枚増やすだけでしたが結果として入庫台数で前年同月比10.4%増という結果になりました。目論見どおり入庫台数の増加につながるだけでなく売り上げも20%以上アップすることができました。
コインパーキングの経営にも3C分析を
3Cとは
「市場(customer)」
「競合(competitor)」
「自社(company)」
の頭文字のことでマーケティング用語ですがコインパーキングの運営にも役立てられそうです。上記2物件の例で考えると
市場=周辺施設の有無、人口密度など
競合=他社コインパーキングの有無、その立地と収容台数など
自社=立地、レイアウトそして設備など
が考えられますが2例とも3C分析をもとに対策を講じた結果売り上げアップにつながりました。駐車場ビジネスも日々状況が変化します。競合他社の出現や周辺環境の変化など開設当初から周りの状況が変化していくならばそれに応じて自社コインパーキングも変化に対応していかないと売上が下降線をたどってしまうかもしれません。
現状を良しとせず絶えず改良点はないか疑問を持って運営をし、改善を施していけば必ずや利用者が増え売り上げは上がっていくことでしょう。
成功ポイント
・満空灯や看板をつける際はドライバーが車内から見える位置に設置する
・駐車場を運営したい土地の3C分析を行い市場環境や顧客ニーズの把握をする