2019年8月21日
コインパーキングの売上分析と料金変更事例
コインパーキングを営業する上で、駐車料金の見直しは売上に直結するため欠かせません。例えば近隣の競合が値下げをした場合、こちらも値下げを検討しないと利用者が競合に流れてしまい売上がダウンしてしまいます。また、近くで大規模な建築工事などが始まって、連日工事車両で満車が続いていれば料金を値上げすべきでしょう。
上記のような周辺状況の変化に伴って、コインパーキングの売上がどのように推移しているかを分析し、そのデータに基づいた駐車料金の設定を図ることで売上アップに繋がります。
こちらの記事では、コインパーキングの「売上データ分析→駐車料金の変更→その後の売上の変動」について、ショウワパークの過去事例に基づいてご説明します。
【ケース1】売上ダウンによる駐車料金の値下げ
それまで安定した売上を保っていたショウワパークAが、ある時期から急激に売上ダウンしました。下のグラフはショウワパークAの売上と利用台数の推移を表したものです。
一般的に1月2月の売上は年末に比べて減少傾向ではありますが、2月の売上が前年11月の半分程度にまで急激に落ち込んでしまっていることから近隣で何か変化があったと考えられます。
現地調査の結果、ショウワパークAに隣接する競合パーキングが、上記のように短時間利用者向けの料金体系からショウワパークAと同様の長時間利用者向けの料金設定にシフトし、かつショウワパークAよりも安く設定していたことがわかりました。
11月と2月で利用者の駐車時間別の売上と台数を分析したものが下のグラフです。
全体的に減少している中でも、グラフ内赤枠で囲った8時間以上駐車している利用者が特に大きく減っているため、長時間利用者が競合に流れてしまっていることがわかります。
そこで3月に下記のように値下げを行いました。
最大料金を競合と同じ料金に設定し、一部車室については更に安く設定することで
流れてしまった長時間利用者に戻ってきてもらう狙いです。
結果、売上は下のようになりました。
4月以降、売上は急激にアップし、2018年11月を上回るペースで推移しています。
駐車時間別で見てみると、4月は短時間利用者が11月と同等に増加、長時間利用者は12時間以上の利用が増えており、狙い通りの結果になりました。
【ケース2】パワースポット近くにあるコインパーキングでの特別料金
ショウワパークB(8台)は観光スポットとして有名な神社の近くにあり、普段から観光客の利用が多いコインパーキングです。
当社には別地域の有名な神社付近で営業しているコインパーキング(以下ショウワパークb)があり、毎年初詣シーズンには特別料金を設定して売上を伸ばしているため、2018年からこのショウワパークBでも同様に特別料金を導入することとしました。
特別料金を設定するにあたり、先述したショウワパークb(2017年1月1日~1月31日まで特別料金実施)の2017年の売上データを参考にしています。
ショウワパークbの2017年1月売上を見てみると、成人の日である1月9日頃までは連日売上が大幅に増加していることがわかりました。※それ以降で売上が増加している日は土日。
そのためショウワパークBでは1月8日の成人の日までを特別料金期間として設定しました。
次に料金をいくらにするかの設定です。ショウワパークbの2017年1月1日~1月9日までの駐車時間別売上・利用台数を見てみます。
3時間以内の短時間利用者がほとんどであることがわかりました。ショウワパークBも同様の傾向になると予測されるので、最大料金を設定せず通常料金を値上げしたほうがよいと考えられます。以上のことから下記の特別料金に設定しました。
最大料金をなしに設定し、日中の通常料金を200円値上げしました。この料金体系によってどのくらいの売上になるかを予測してみます。
下のグラフはショウワパークbの2017年1/1~1/9期間中の時間別稼働率です。
9時から18時までが稼働率のピークであることがわかります。この時間帯の稼働率を平均60%とし、ショウワパークBにあてはめて先述の料金体系で売上予測してみます。
1日あたり売上 → 9時間(9時~18時) × 60分500円 × 8台 = 36,000円
36,000円 × 60% = 21,600円
特別期間中売上 → 21,600円 × 8日間(2018年1/1~1/8) = 172,800円
ショウワパークBの特別料金売上予測は172,800円となりました。
実際の売上はどうだったでしょうか。まず2018年1月の売上を見てみます。
成人の日である1月8日まで設定しましたが、1月7日までが売上のピークだったことがわかります。続いて特別期間中の実績は下記の通りです。
売上 | |
---|---|
1日 | 39,500 |
2日 | 43,000 |
3日 | 36,000 |
4日 | 32,700 |
5日 | 17,000 |
6日 | 22,500 |
7日 | 32,100 |
8日 | 12,600 |
合計 | 235,400円 |
特別期間中の売上合計は235,400円と、予測を上回りました。
期間中の稼働率を見てみると、ピークの時間帯は短くなっていましたが稼働率は70%前後と高くなっていたため、予測よりも回転したものと思われます。
成功ポイント
・売上の維持、アップのためには近隣状況のこまめなチェックと料金設定の見直しが重要
・料金設定の際には、直近の売上データから利用傾向を分析することが必須
・料金変更後の売上推移を予測と比較し、更に分析することでより精度の高い料金設定に繋がる。