今回は土地から駐車場が出来上がるまでの全工程を調べました。
いつも見かける工事は何をやっているのか…気になりますよね。
1.駐車場を作るときの作業工程(アスファルト工事編)
手順1:掘削(くっさく)
①地盤調査: 掘削の前に、建設予定地の地盤調査が行われます。これは土地の地質、土壌の種類、水分含有量、耐荷重性などを評価するために必要です。地盤調査によって、その後の工事計画が大きく左右されるため、非常に重要です。
②地盤改良(必要な場合): 地盤調査の結果、土地が弱い地盤であると判断された場合、地盤改良工事が必要となります。これは、地盤を固めたり、安定させたりする作業で、沈下や変形を防ぐために行われます。
③掘削作業: 掘削は、駐車場の地盤を形成するために土砂や岩石を掘り取る作業です。この工程では、重機械を使用して計画された深さまで地面を掘り下げます。駐車場では、特にアスファルト工事のために、道路と駐車場間に段差がないように、一定の深さまで均一に掘削することが一般的です。掘削工程は、駐車場の全体的な安全性、耐久性、そして利用の効率に直接影響を与えるため、非常に重要です。 正確な掘削によって、その後のアスファルト舗装やその他の工程がスムーズに進行し、最終的な駐車場の品質が保証されます。
手順2:下地作り・路盤の整正
駐車場の耐久性と安定性を保証するための重要なステップです。 この工程は、掘削作業の後に行われ、以下のような手順で進められます。
①砕石の敷き詰め: 掘削によって形成された穴に砕石を均一に敷き詰めます。この砕石層は、アスファルトやその他の舗装材料の下にある基盤となります。砕石は、適切な厚さと密度で均一に敷き詰められる必要があります。
②表面の平滑化: 砕石を敷き詰めた後、表面の凹凸をなくし、路盤を水平に仕上げることが重要です。これにより、均一で安定した基盤が形成されます。この作業は、駐車場の全体的な平坦性と安全性を保証するために不可欠です。
③路床の強化: 舗装面にかかる荷重は、この路床によって受け止められます。路床が脆弱だと、地割れや地盤沈下などの問題が発生する可能性があります。したがって、砕石を使用して路床をしっかりと固めることは、駐車場の長期的な耐久性に直接関わる重要な工程です。
④アスファルト舗装の基盤作り: この整正された路盤は、アスファルト舗装の質にも大きな影響を与えます。砕石層が均一かつ適切に仕上がっていれば、その上に敷かれるアスファルトも均一で滑らかな仕上がりになります。
総じて、「下地作り・路盤の整正」工程は、駐車場の基礎となる部分であり、その後のアスファルト工事や全体的な品質に大きく影響を及ぼします。専門的な技術と注意を払って行われるべき工程です。
手順3:アスファルトの敷き均し
舗装の核となる重要なステップです。 この工程の目的は、路盤の表層にアスファルト混合物を均一かつ適切に敷き詰めることにあります。以下にその詳細なプロセスを説明します。
①アスファルト混合物の準備: アスファルトの敷き均しに使用されるのは、アスファルト混合物と呼ばれる素材です。これは、アスファルトビチューメン(粘着性の石油製品)と骨材(砂、砂利、石など)の混合物で構成されています。この混合物は、舗装する面に強度と耐久性を提供します。
②敷き均しの方法: 小規模な面積の舗装では、レイキと呼ばれる道具を使用して、人の手によってアスファルト混合物を敷き均します。レイキを使うことで、細かな調整が可能となり、均一な厚さでの舗装を実現できます。
・大規模な舗装工事の場合は、フィニッシャーという重機を用います。 フィニッシャーは、大量のアスファルト混合物を均一に広範囲に敷き詰めることができる機械です。これにより、大面積でも効率的かつ美しい仕上がりの舗装が可能となります。
この工程の適切な実行は、駐車場の舗装面の品質、平滑性、および全体的な耐久性に直接影響します。均一に敷き詰められたアスファルトは、駐車場の使用において安全かつ快適な経験を提供し、長期間にわたる耐用性を保証します。
手順4:転圧
駐車場工事における「転圧」工程は、アスファルト舗装作業の最終段階であり、舗装されたアスファルトの品質と耐久性を確保するために非常に重要です。 この工程の主な目的は、敷き詰められたアスファルト混合物を均一に圧縮し、固めることにあります。以下にそのプロセスの詳細を説明します。
①転圧の目的: 転圧は、敷き詰められたアスファルト混合物を均一に圧縮し固めるための作業です。これにより、アスファルトの中に空気が閉じ込められるのを防ぎ、より密度の高い、強く耐久性のある舗装面を作り出します。
②転圧作業の方法: 一般的に、転圧作業には専用の圧縮機械が使用されます。この機械は、舗装されたアスファルトの表面に均等かつ強力な圧力を加えることができます。
小規模なプロジェクトや狭いエリアでは、ローラーを用いて転圧することもありますが、大規模な舗装では専用の転圧機が用いられることが一般的です。
③転圧のタイミングと温度管理: 転圧は、アスファルトが約120度の高温である間に行われます。この温度では、アスファルト混合物が柔軟であり、均一に圧縮することが容易です。
圧縮されたアスファルトは、表面温度が約50度まで冷めると使用可能になります。50度以上の状態で車が通行したり、歩行者が歩いたりすると、アスファルトが変形したりひび割れる原因となり、劣化を早める可能性があるため、十分に冷却する時間を確保することが重要です。
この転圧工程を適切に行うことで、駐車場の舗装面は十分な強度と耐久性を持ち、長期間にわたり安全で快適な使用が可能となります。また、均一に圧縮されたアスファルトは、見た目にも美しく仕上がります。
手順5:機器設置
アスファルトの敷き均しと転圧が完了した後、コインパーキングとして機能させるためには、以下の主要な機器と設備の設置が必要です。
- 精算機: 利用者が駐車料金を支払うための機器。カードや電子マネー対応のモデルも選択可能です。
- ロック板またはゲート機: 駐車スペースの利用を管理し、不正駐車を防止するための装置。
- 車止め: 車両が駐車スペースを超えて進むのを防ぐための安全装置。
- 区画ライン引き: 駐車スペースを明確に示すためのライン。視認性を高め、利用者の利便性を向上させます。
- 各種看板: 料金案内、利用規則、運営会社情報などを表示するための看板。
- 場内照明: 夜間の安全と利便性を確保するための照明設備。
- 監視カメラ: 安全管理とトラブル防止のための監視装置。
監視カメラ:
安全管理とトラブル防止のための監視装置。月極駐車場と比べて、コインパーキングではこれらの機器設備が多くなり、運営の効率化と顧客サービスの向上に寄与します。
料金設定
周辺のコインパーキングの料金相場を参照しながら、利益が出るような適正な料金を設定します。
オープン告知
コインパーキングの準備が完了したら、積極的なマーケティング活動を行います。周辺のお店や住居にチラシを配布し、のぼり旗を設置して、新しい駐車場の開業を告知します。これにより、初日から顧客を引きつけることが可能になります。
この手順5は、駐車場の物理的な構築から実際の運営開始に向けた最終段階です。 このステップにより、コインパーキングは利用者にとって便利で、運営者にとっては効率的かつ収益性の高い施設へと変貌します。
2.駐車場オープン後の継続的な管理と運営
駐車場のオープン日を迎えた後も、成功を継続するためには多くの管理業務が必要です。ここでは、駐車場運営のために行うべき主要な継続的業務についてご紹介します。
①清掃:
駐車場内を常に清潔に保ち、ゴミ拾いや草むしりを定期的に行います。清潔な環境は、利用者に安心感を与えるだけでなく、犯罪や放置車両のリスクを低減します。
②集金:
精算機からの売上金の定期的な集金を行います。これは運営の基盤となる収入源です。
③つり銭と駐車券の補充:
精算機内のつり銭を補充し、領収書用のロール紙や駐車券を常に充填しておくことで、利用者の利便性を高めます。
④設備の修繕:
経年劣化や事故による損傷が発生した設備の修繕を行います。これには、機器のメンテナンスや、必要に応じた部品の交換が含まれます。
⑤事故やトラブルの対応:
不正駐車、利用者間のトラブル、場内事故、機器の不具合など、様々なトラブルに迅速に対応します。
⑥競合の調査と料金設定の見直し:
周辺のコインパーキングとの競争状況を常に把握し、必要に応じて料金設定を見直します。
運営会社への委託の利点:
コインパーキングの運営は、多くの機器設備と継続的な管理業務を必要とします。これらの負担から解放されるためには、運営会社に業務を委託することが効果的です。プロの運営会社は、日々の管理業務からトラブル対応、市場動向の分析まで、駐車場経営の全方位にわたる専門的なサポートを提供します。これにより、オーナー様は運営の複雑さや時間的な負担から解放され、より効率的かつ収益性の高い駐車場運営を実現できます。
成功ポイント
駐車場経営をプロに任せるメリット
- 専門的な運営: 運営会社は駐車場の運営における専門知識と経験を持っています。これにより、最適な運営戦略と効率的な管理が可能となります。
- リスク管理: トラブル発生時の迅速な対応や、法的な問題への適切な対処が期待できます。
- コスト削減: 効率的な運営により、不必要なコストを削減し、収益性を高めることができます。
- 時間の節約: 日々の管理業務から解放されるため、オーナー様は他の事業や個人的な時間に集中できます。
駐車場を始める際も、運営を始めてからも、多岐にわたる業務を抱えることは大きな負担となることがあります。そのような時、プロの運営会社に相談することで、安心かつ効果的な経営が可能になります。お気軽にご相談ください。